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高齢者を見守る食堂

団地の高齢者を見守る場所

日本各地にある団地では、住んでいる人がどんどん高齢化し、高齢者の割合が多くなっているところもあります。
約950世帯が暮らしているURサンヴァリエ桜堤団地もそんな場所の1つであり、高齢化率は32%にもなっています。
これだけ高齢者が多いと、ゴミ出しや分別が大変、近隣から孤立している、などの問題も出てきます。

団地で暮らす高齢者の生活課題を共有し、普段から顔を合わせられるような場所はないか、ということを考えた末に、団地の集会所を食堂とする案が出てきました。

じつはその前に団地の全世帯にアンケートをとったところ、65歳世帯のうち半数が80歳以上であり、そのうち毎日一人で食事をするという方が半数以上でした。
これらを踏まえて、食を通して住民同士が出会える居場所をと考え、食堂という案が出てきたのです。

毎週火曜日に集う

平成26年9月からは、いよいよ食堂がオープンしました。
団地の集会所を食堂とし、毎週火曜日の正午から午後2時までオープンしています。
実際には毎回30名ほどが参加し、ガラス張りの明るい場所で、食事をしながら会話を楽しみます。
1食500円程度になっており、これで栄養バランスのとれた美味しい食事が出来ます。

参加者は主に自立している高齢者ですが、介護サービス利用者や、認知症の方も参加しています。
介護支援センターの職員が食事中にテーブルを回って、世間話をしたり困ったことを聞いたりして、今後の援助などに繋げています。

利用する方は夫婦での利用もあり、昼食を用意する負担が減ったといいます。
食堂ではボランティアスタッフが10名ほど登録して、毎回3名ずつローテーションで担当します。
毎週だと負担がありますが、ローテーションなので月に1回から2回程度であり、それほど負担にもなりません。

食堂を運営するのは、団地の高齢者が外に出てみんなと顔をあわせる以外にも、介護支援サービスの職員が地域に出るための工夫にもなります。
特に直接高齢者と顔を合わせて食事の感想を聞いたり、何か困ったことがないか聞いたすることが出来、また美味しいという声を聞けばやる気も出てきます。

また時間がゆったりと流れる食堂で仕事を出来るのも、リラックスして仕事が出来て良いです。
職員が地域に出て行くことによって、今まで以上に地位住民と知り合うことが出来、普段から挨拶もするようになり、訪問することもあります。

そして少しの困ったことなども事前にキャッチし、早めにサポートすることが出来るようになりました。
高齢者が顔を合わせて食事をして寂しい思いをしないということ以外にも、地域住民の繋がりを強めてよりよい環境を作るための手助けにもなっています。